観月会2022

 

初秋の月明かりの中、重厚な茅葺きの日本家屋“林田大庄屋旧三木家住宅”を会場に三年ぶりに開催しました。
月あかりコンサートでは、市場誠一さんの電子ピアノと中西ターニャさんのヴァイオリンによる秋の音色を間近に感じて頂きながら楽しんでいただきました。

また、地域の方々が行灯や陶製の灯りを制作してくださり、時間を追うごとに優しい灯りへと変化する作品に、来館された方々の心を魅了されていました。

もう一度写真でご覧ください。

月あかりコンサート

灯り

林田七夕祭りと押し花アート&糸のこクラフト展

昔ながらの七夕飾りが三木家の軒下になびき、風情ある景色が楽しめる林田七夕祭り。

林田七夕祭りの企画展として、『押し花アート&糸のこクラフト展』も開催しました。

押し花アートと糸のこクラフトの皆さんは、普段は『県立ゆめさきの森公園』で活動されているメンバーさんです。今回ご縁があり林田大庄屋旧三木家住宅で作品展をしていただました。花と木の自然材料を使い、童話の中から出てきたような心あったまる作品を作られています。

7月2日の三木家公開記念日にはどなたでも無料でご入館いただき、同日の押し花体験アートでは自分だけの押し花アートに時間を忘れ興じていました。

もう一度写真でご覧下さい。

七夕飾り

押し花アート&糸のこクラフト展

押し花アート体験会

河野鐵兜展と林田焼 同時開催『端午の節句展』

 

 

郷土の偉人である『河野鐵兜』は、文政8年(1825)に姫路市網干余子浜の医を生業とする家に生まれ、5歳の時から父について漢籍を学び、15歳のとき一夜にして漢詩を100編つくりあげ、神童とよばれるなど、儒学、国学、漢詩、和歌、薬学などに秀で、特に「芳野」の詩は、全国的にも知られています。

今回は個人所有の河野鐵兜の遺墨のみならず、龍野歴史文化資料館所蔵の公式調査記録『河野絢夫先生尺牘集』他、個人所蔵の『鐵兜及其交友の尺牘』などを展示します。激動の幕末にありながら、歴史に名を連ねる人たちとの交流を読み解くことができるといっても過言ではないでしょう。当時の天皇も河野鐵兜の名を知っていたとも言われています。

また、姫路市教育委員会文化財課が所蔵する住民から寄付された物品を整理していた時に、『政宇公御手焼龍絵甲(かぶと)皿』と書かれた箱書きが発見され、その箱の中には薄手の陶器皿10枚が入っていました。政宇(1647-1715)は林田藩第3代藩主、伏見奉行・寺社奉行をつとめ伏見の大火では再建に手を尽くしました。

今回は、その『政宇公御手焼龍絵甲(かぶと)皿』のお里帰りを敢行しました。

端午の節句展も同時開催しました。
もう一度写真でご覧下さい。

 

林田ひな祭り

三木家にご寄贈いただたいお雛様と手作りの雄雛様を中心に展示しました。

昨年、一昨年とコロナ感染症拡大により中止となりましたが、今年は最後まで開催することができました。

昔ながらの行事の展示を開催していると色々と行事の歴史を聞かれます。お雛様で多い質問が『どっちが右でどっちが左ですか?』です。

日本では、古くから向かって右側が上席とされ『男雛は向かって右、女雛は向かって左』でした。
それが、明治となり西洋文化を取り入れるようになっていき、大正天皇の即位の礼の時に国際基準に倣った並びとなる予定でしたが、皇后がご懐妊中で天皇おひとりで臨まれました。その後、昭和天皇の『即位の礼』の時、向かって左側を上席とする国際基準にならい、向かって左に天皇、向かって右に皇后が立たれたことで、それ以降のお雛様は並びを変えたと云われています。
しかしながら京都では、古くからの伝統を重んじ『京雛』として昔ながらの配置が用いられています。

色々な歴史を知ることは面白いです。

もう一度写真でご覧下さい。

『燃えよ剣』ロケ地パネル展

令和3年10月15日から公開された『燃えよ剣』。幕末の新選組のお話ですが、そのメンバーの1人“沖田総司”のクライマックスシーンは林田大庄屋旧三木家住宅で撮影されました。※撮影は2019年3月20日です。

前日から撮影現場作りが行われ、スタッフの方々のこの映画に対する熱い思いを感じながら、映画作りの大変さを垣間見ることが出来ました。

コロナ禍により延び延びとなっていた公開がやっと始まり、姫路での撮影が行われた姫路城・亀山御坊本徳寺・林田大庄屋旧三木家住宅でロケ地パネル展が開催され、姫路市に限らず遠方からもお客様が訪れました。

無縁ではなかった林田藩と新選組

尊王攘夷派の大高又次郎は、林田藩士でした。36歳の時に脱藩し、2年後に吉田松陰と出会います。その後、尊皇攘夷派とともに活動しますが、その中の過激派が二条城(当時の大番頭(おおばんがしら=警護の最高責任職)は、林田藩九代藩主 建部政和(まさより))の乗っ取りを企てていたことを案じた又次郎は、ひそかに城内の近臣と通じて二条城の安全を図ろうとしていたそうです。しかし、京都の池田屋事件に遭遇し奮戦むなしく新選組に討たれ44歳で闘死しました。

『ふるさとを詠む』林田・伊勢児童生徒俳句展-2021-

林田町の三校「林田中・林田小・伊勢小」では、一年間を通じて学校教育の中に俳句を取り入れ、自分を見つめ直す・自分の言葉で俳句を詠む・周りの人たちの詠んだ俳句を通じてどう感じているのか俳句の意図など、一つの俳句を多方面から分析することで子どもたちの心を育んでいます。

そして、子どもたちが詠んだ俳句を地元にある重要文化財『林田大庄屋旧三木家住宅』で今年も発表することができました。

素直な心で詠んだ俳句はすっーと心に入ります。今子ども達は何を感じて、何をしようとしているのか、ぜひもう一度ご覧下さい。

最優秀作品

【小学校低学年の部】
  • 見てほしい セミのブローチ おしゃれでしょ
    ◆伊勢小二年
【小学校中学年の部】
  • 赤とんぼ わたしと家まで バトンリレー
    ◆林田小四年
【小学校高学年の部】
  • 帰り道 夕焼け見つめ また明日
    ◆伊勢小六年
【中学校の部】
  • ソーダ水 夏の思い出 映し出す
    ◆一年

優秀作品

【小学校低学年の部】
  • あまがえる あめがふるのを まってるよ
    ◆林田小一年
  • なつやすみ やりたいことが やまのよう
    ◆林田小一年
【小学校中学年の部】
  • かかしがね 畑を守り つらそうだ
    ◆林田小三年
  • 水田に やさしくゆれる 月明かり
    ◆●●小●年
【小学校高学年の部】
  • 月が出て 空から見守る 世界中
    ◆林田小五年
  • 時が経ち 黄金色に染まる 稲穂かな
    ◆伊勢小五年
【中学校の部】
  • 自転車で 一緒に風切る 秋あかね
    ◆一年
  • 秋風や 葉っぱに乗って 訪れる
    ◆二年

優良賞

【小学校低学年の部】
  • ぶらんこで ちょうといっしょに ゆうらゆら
    ◆伊勢小一年
  • ながれぼし ねがいをかなえ しゅっぱつだ
    ◆林田小二年
  • コオロギが いいおと出して うたづくり
    ◆林田小二年
【小学校中学年の部】
  • 母の日だ 心をこめて はいどうぞ
    ◆林田小三年
  • 赤い海 かさなるもみじ いせの里
    ◆伊勢小三年
  • 森の中 もみじのじゅうたん ひみつきち
    ◆伊勢小四年
【小学校高学年の部】
  • 夏はまだ 終わりはしない 山の色
    ◆林田小五年
  • イネのほよ 風にふかれて 首たおす
    ◆林田小六年
  • 子ら遊ぶ そばで蜻蛉も 遊びけり
    ◆林田小六年
【中学校の部】
  • 墓参り 凜と輝く 菊の花
    ◆二年
  • 除夜の鐘 気づかず眠る 手にはペン
    ◆三年
  • 新米の 幸せさけぶ みなの腹
    ◆三年

入選作品

【小学校低学年の部】
  • ふうりんが きれいなおとで ちりんちりん
    ◆林田小一年
  • なつのじき トマトにきゅうり かじったよ
    ◆林田小一年
  • なつのひに ラムネをかって いっきのみ
    ◆林田小一年
  • あさがおの たねがとれたよ ざっくざく
    ◆伊勢小一年
  • いねかりだ さあがんばるぞ どろだらけ
    ◆林田小二年
  • みのむしは 木から出てきて ふくきてる
    ◆林田小二年
  • ぬけがらだ おでかけしてるの? アブラゼミ
    ◆伊勢小二年
【小学校中学年の部】
  • ヒガンバナ はたけのよこに ぽつりさく
    ◆林田小三年
  • コスモスの においにひかれ バッタ来る
    ◆林田小三年
  • ひがん花 夕日に当たる おほしさま
    ◆林田小三年
  • 山近く 鹿がちょこんと 立っておる
    ◆林田小四年
  • 赤とんぼ 夕日でそまり 真っ赤っか
    ◆林田小四年
  • 佐見山も 秋になったら 衣がえ
    ◆林田小四年
  • 夜の道 親をさがして こじかなく
    ◆伊勢小四年
【小学校高学年の部】
  • 秋魚 秋刀魚はなんと 青魚
    ◆林田小五年
  • 台風が 町をのみこむ おおさわぎ
    ◆林田小五年
  • 朝っぱら 畑をあるくと かぼちゃふむ
    ◆林田小五年
  • 天の川 二人結ばれ いい夜だ
    ◆林田小五年
  • 雨の日に あじさい輝く 宝石だ
    ◆伊勢小五年
  • えん側で 音色に聞き入る 赤とんぼ
    ◆林田小六年
  • 夏休み 琴の音色が 外までも
    ◆伊勢小六年
【中学校の部】
  • 秋の夜 寝転んで見る 星の海
    ◆一年
  • ゆったりと 空を泳ぐは いわし雲
    ◆一年
  • 蛍たち 夜中に照らす 道標
    ◆一年
  • 目を覚ます ぼくといっしょに アサガオが
    ◆一年
  • よく見える いなかの特権 秋のほし
    ◆二年
  • すすき揺れ 風吹く空に 光る夜
    ◆二年
  • 外見れば 見つめあってる 芋と犬
    ◆二年
  • あざやかに 心うばった 夏の月
    ◆三年
  • 夜道にて 柏の葉なくす たぬきかな
    ◆三年
  • バス停で 手を振る少女 麦の秋
    ◆三年
  • 名月や 池に映りて 道示す
    ◆三年

蔵の作品展

 

毎年開催している蔵の作品展、今年も見事な作品が並び見る人の心を和ませてくれました。ことに吉川洋子さんの作品には心を奪われました。緻密で繊細な和紙ちぎり絵に皆さん驚かれ、あちこちから『凄い』の言葉が聞かれました。

絵の具等は一切使わず、薄く剥いだ和紙を重ね合わせグラデーションを出す技法や古い着物を使った様々な作品は本当に素晴らしい物でした。

作品展が終わって、ご覧頂いた方々から『吉川さんの作品は凄かったわ。良い物を見せて頂きました。』と多くの感想をいただきました。

また、地域の皆様から寄せられた作品展も好評をいただきました。昨年からのコロナ過での開催でしたが、多くの方に見て頂きました。ありがとうございました。写真では、和紙ちぎり絵が分かりにくいのですが、もう一度ご覧下さい。

林田七夕祭り 古民具再生工房作品展&日本画展

 

今年は、コロナ過での開催となり、いつもは短冊に願い事を書いて笹に取り付けている姿を見る度に今年も開催できて良かったと思っていましたが、感染予防のためご来館者にも参加して頂く笹飾りは取りやめました。残念です。来年はご参加いただけるような七夕になればと思っています。

七夕祭りと同時開催の『妻木敏保古民具再生工房作品展』では、今では使われることのなくなった昔の道具を再生して命を再び吹き込んだ作品を展示してみて頂きました。三木家とともに時代をともに生きてきた道具たちばかりです。妻木さんの作品を見ていると物というよりは自分たちの生活を支えてくれた道具に対してのいたわりや感謝の気持ちに感銘し、今の流行の言葉で言えばSDGsの心意気を感じました。

また、内蔵では、日本画展も開催。日本の四季や日本に居ながら世界の景色を見せていただきました。

もう一度写真でお楽しみください。

林田ひな祭り

昨年は、開催期間途中で臨時休館となってしまいましたが、今年は最後まで開催することができました。ここ数年は江戸時代のお雛様を展示しておりましたが、今年は、地域の方々の手作りの愛らしいお雛様が並びました。

同時に三木家10年のあゆみ写真展が開催中であったことから、例年に比べるとお雛様が少ないもののたくさんの方に見ていただけました。

もう一度写真でお楽しみください。

三木家10周年記念「10年のあゆみ写真展」

林田大庄屋旧三木家住宅は、平成22年7月2日に一般公開が始まり、今年で10周年を迎えました。

当初、5周年記念で人気を博した「渡辺うめ人形展 あぜみちの詩」を開催する予定でした。しかし、新型コロナウィルス感染症が日常の生活を一変させ、開催を変更せざるを得ませんでした。やむなく10周年記念「10年のあゆみ写真展」を開催しましたが、色々な方々に支えらた10年であったことが改めて思い起こされました。

10月2日~3月22日までの期間開催された写真展でしたが、皆様に楽しんでいただけるようにとこれまでに人気のあった人形展などを作者や関係者のご協力で一部再現し展示することもできました。

イベントをきっかけに交友が始まった方が駆けつけて下さったり、お客様の中には、展示していた写真の中にご自分を見つけ喜んでおられる方も・・・。

これからも季節を味わえるような企画を取り入れながら、皆さんに喜んでいただけるイベントをと考えています。

10年間色々と応援していただきありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。